Q&A
みなさんの質問に各領域のプロが答えます!
「胸部外科医」を目指すみなさんの質問・相談に、現役で活躍する日本全国の心臓血管外科医・呼吸器外科医・食道外科医が、分かりやすくお答えします。
- 胸部外科はどの臓器を扱うのですか?
- 扱う臓器は心臓、血管、気管(支)、肺、食道です。ただし腹部大血管も含まれます。正確には胸部外科医という名称はありません。心臓血管外科医、呼吸器外科医、食道外科医というのが正式名称です。
- 胸部外科は忙しいと聞いていますが、具体的に教えてください。
- 確かに忙しいことは間違いありません。具体例として外科学会が行った外科医の週間タイムスタディを紹介しておきましょう。労働時間は平均約90時間/週でした。サラリーマンから比べるときつそうです。しかし外科医の本来の業務である手術時間は15時間/週でした。それ以外の病棟業務等が馬鹿にならないようです。
- 女性でもできますか?女性は何人位いますか?
- 意欲があれば勿論できます。ただ女性として育児の問題があります。最近は男女参画が盛んになり、保育所、病児保育所も完備されつつあり、以前に比べると格段に働きやすくなったと思います。
- 卒後何年くらいで一人前の医師になれますか?
- 外科は知識とともに技術を身につける必要があります。大体10年単位で考えると良いでしょう。
- 食道外科医は食道しか扱わないのですか?
- いいえ、食道外科医は一般腹部外科の修練を積んだ後に専門性が高い食道外科に進みます。
- 専門医とはなんですか?
- 卒後2年間は初期研修が義務化されており、ここでは医師として身に付けて置くべきことを学びます。その後外科医としての修練を積み、最速で卒後5年で外科専門医となります。いわば外科医としての素養です。その後更に臓器別の修練へ経て、卒後7年目に心臓血管外科専門医、呼吸器外科専門医、食道外科専門医の資格を取得できます。
- 内視鏡手術とはなんですか?
- 近年低侵襲手術として、胸腔鏡という内視鏡を使った傷の小さい手術が注目されています。患者さんにも満足度が高いため、小さい癌に対しては今後発展が期待される方法です。
- 大学の医局に属さなくても胸部外科医になれますか?
- 可能です。ただ専門医を取得するためには臨床経験、学会参加とともに論文作成が必要です。忙しい日々を送りつつ論文を書くのは大変なようです。